船内ではそれぞれの行動あわにせて決まった音楽が流れます。朝6時30分、『潮騒のメロディー』が部屋のスピーカーから流れてきます。続いてユーミンの『やさしさに包まれたなら』。この後、これでも起きない人にはうってつけの、森高千里の『ララサンシャイン』が流れます。「さわやかな朝♪」という声を聴いたらさわやかな気分で起きられる?!この他にも、食事、研修、清掃とそれぞれ曲が決まっているので、3日目くらいからは音楽が流れると条件反射で動きだしてしまうのです。
普通なら絶対に入れないブリッジ(操舵室)も、今回は特別に見学させてもらいました。レーダー、繰陀スタンド、スピードメーター、舵角指示器など、めったに見られない機器も、自由に触れることができます。団員が寝ている間も船は動いていますが、航海士さんたちは4時間交換で運転するそうです。目の前に広がる水平線、「肉眼で見られるのは何キロだと思いますか。」という航海士さんの質問に、思い思いのことを答える団員たち。答えは20キロでした。
環境問題講話を聞いた後の主研修で、各班それぞれ班長を中心に、環境やゴミ処理などの問題について話し合いでまとめたものをスローガンにして、紙に書いて提出したものが、最終日に新さくら丸のロビーに張り出されました。ABグループで作成されたスローガンを張り合わせると、船と海、そしてヤシの木のステキなひとつの絵になっていて、団員一同おどろきの声を上げました。これは4月29日のみどりの日に東京の新宿御苑で行われるキャンペーンでも、そのまま張り出されました。
解団式の最後に、B&Gから左のような詩が贈られました。
海・・・。
遠い昔、私たち人類は海から誕生したという。(中略)しかし、いまその海が・・・。
いまこそ、私たち人類は海に対し、畏敬の念を燃やし立ち上がらなければならない時がきている。
私たち人類には、青い地球、青い海、緑の大地を創造し、次代へ継承していかなければならない義務があるのだから。
残された時間はもう少ない。さあ始めよう。
海の再生のために何ができるのかを考えてみよう。自分達のできる身近なところから…臆病がらずに‥輝く未来のために…。(中略)
少年よ耳をすまして。人間として一番大切なことは、知識より他人を思いやる心が必要だということを―思いやりがないと暴力だけが残る。心に愛を抱けー愛を知らない者だけが憎しみ合うのだ。
少年よー失望してはならない。
希望をもて―少年には
幸福を生む力があるのだからー。人生は長い。急がず、あわてず、ゆっくり進もうではないか。
この『少年の船』は航海を通じて、みなさんが海のように広い心、豊かな心を培い、そして世界に広がる良き仲間をたくさん作って、健康な心、他人を思いやる心を養うことで、これからの明るい未来を創造するために大きく羽ばたいてくれることが、B&G財団の願いなのです。